ツールの中心位置を設定する
ツール中心点 (TCP) を設定するときは、フランジ座標に基づく位置と回転角度も定義する必要があります。 フランジ座標のデフォルトの開始点からツール中心点 (TCP) までの X、Y、Z 方向の距離は 10000 mm を超えるように設定することはできません。 また、X、Y、Zの換算長さ(
特に、TCP が自動計算を使用して設定されている場合、X、Y、Z 位置のみに基づいて計算が行われるため、回転角度を入力する必要があります。 回転角度は項目 A、B、C で定義でき、オイラー Z-Y-Z 回転法に基づいています。
下の図で小文字のx、y、zで表現される座標軸と、大文字のX、Y、Zで表現される座標軸の定義は次のとおりです。
- ‘フランジ座標系’の座標軸(x、y、z) : フランジの端で定義される‘フランジ座標系’の座標軸方向は、ロボットのジョイント角度が(0,0,0,0,0,0)のときにロボット座標系と同じです。
- ‘TCP座標系’の座標軸(X、Y、Z) : フランジの端で装着するツールの端、又は作用点(Working Point)に設定します。このとき、‘フランジ座標系’を基準として‘TCP座標系’の回転角は下の1)~3)の順序に従って定義されます。
1) フランジ座標系のz軸に沿ってA度回転
2) 1)によって回転した座標系のy’軸に沿ってB度回転
3) 2)によって回転した座標系のz’’軸に沿ってC度回転
上の方法に従ってTCP値を設定するいくつかの例を挙げてみます。
- [X, Y, Z, A, B, C] = [0, 0, 100, 0, 0, 0] : Z方向のオフセットのみある一般的なグリッパー(TCP Coord)
- [X, Y, Z, A, B, C] = [100, 0, 300, 180, -45, 0] : 45度の角度を持つ左側のグリッパー(TCP Coord.L)
- [X, Y, Z, A, B, C] = [-100, 0, 300, 0, -45, 0] : 45度の角度を持つ右側のグリッパー(TCP Coord.R)